日本の仏教文化の原点を飾る止利仏師の名作

法隆寺

奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内

推古年(607)に聖徳太子が建立。現存する世界最古の木造建築でほとんどの建物が国宝。また、釈迦三尊像や玉虫厨子などの国宝のほか、絵画遺品などの寺宝も多い平成 5年(1993)、「法隆寺地域の仏教建造物」として世界文化遺産に登録。

法隆寺金堂釈迦三尊像

国宝 銅造 鍍金

法隆寺金堂に安置された止利仏師作の仏像。中尊と左右の脇侍の三尊からなる。日本仏像史の初頭を飾る名作として知られる。面長の顔、杏仁形の目(アーモンドアイ)などの特徴がある。後世の日本の仏像とは異なる様式が示されている。

法隆寺金堂釈迦三尊像光背銘

釈迦三尊像の光背裏面に刻された 196文字の銘文。末尾には「使司馬鞍首止利佛師造」(この像は鞍作止利仏師に造らせた)とある。この時代に銘文に作者の名が記されることはなく、止利仏師が記名に値する存在と考えられていたことが分かる。